20世紀の農業では、耕地面積の拡大とともに化石エネルギ−、灌漑水、肥料、農薬などの多投入のもとで食料生産の増大と経済的価値の追求を実現してきましたが、生産に関わる資源の非効率な利用ならびに耕地生態系の過度な利用が、生態系における物質循環の破壊や地球環境の悪化を引き起こしてきたといえます。
栽培システム学研究室では、現在の農業生産システムの問題点を、耕地生態系の構造と機能の観点から総合的に明らかにすることを通して、生態系保全ならびに高生産かつ持続的農業生産システムを構築するための学際的フィールド研究に取り組んでいます。
耕地土壌へ還元する有機質資材の評価法の開発
有機質資材を連年施用した耕地での作物生育と物質循環の動態解明
水稲根圏における窒素固定能の評価とその利用
土地利用と土壌別に見た耕地生態系での窒素収支動態のモデル化
生産性と環境容量とを考慮した最適施肥管理技術の開発
集落レベルでの土壌理化学性と作物生育の空間変動の評価
物質収支動態とその空間変動に基づく耕地生態系の持続的管理技術の開発
左図:メタン発酵消化液の連用水田では温室効果ガスのひとつであるメタンの発生量の少ないことを、メタンの素となる物質の土壌中での動態から明らかにしています。
下図:左下の航空画像から抽出・作成した集落内での水稲生育量の空間的変動マップ(右下)と、別に作成した土壌からの窒素発現マップを基にして追肥量を決定する施肥管理技術を開発しています。
田畑輪換を行っている水田群の航空画像 水稲窒素保有量の空間的変動
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